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Author:元気の子
多くの介護関係者が何となく思っていることを、あたかも理論的に言語化するのが好きですが、エビデンスはほとんどないのでご了承ください。

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一般的に、事故といえば転倒や表皮剥離のようなものをイメージするでしょうが、

老人ホームでもっとも多発している事故は廃用症候群です。




廃用症候群とは、「動かない」「使わない」機能がどんどん衰えていくことです。

寝たきり・座りきりで活動や刺激のない退屈な生活をしていると、

筋力は低下し、

関節は固まり、

心肺機能をはじめとする内臓の機能は低下し、

バランス感覚は失われ、

骨はもろくなり、

認知症になり、

意欲が失われ、

という症状に見舞われます。




ただ、これらの廃用症候群という名の事故が起きても、

事故報告書が書かれることはありません。

家族に謝罪することもありません。

当然、損害賠償も発生しません。

なぜか、「年だから仕方がない。」で片付けられます。

誰も責任を取らなくてもいい事故になってしまうのです。




転倒等の事故はもちろん責任問題が発生します。




だから、老人ホームの全てのスタッフは、

同じ事故なら、責任が問われない廃用症候群の方を選んでしまうのです。



転倒等の突発的な事故のリスクを恐れて、

積極的なケアを中止し

やんわりじっくりと寝たきり老人へと移行する

消極的ケアを実施します




そうならないために、

極力事故のリスクを回避しながらも

積極的なケアを実施するには、

スタッフに、

考える姿勢

分からないことは勉強する姿勢

果敢にチャレンジする姿勢

が求められます。




ということは、

廃用症候群の入居者が多い施設は

単にリスクを回避するだけで、

考えない、

勉強しない、

チャレンジしない、

ということになります。




それは、結局やる気がないということになってしまいます。

あるいは何も知らないということになってしまいます。




そして、今日も確実に、寝たきり老人が作られていきます。




このブログを100人が読んで、

99人がムカついても、

あとの1人が変わるきっかけになれば、と思っています。




☆本日の結論
「よう考えたら100人も読者はおらんかった…。」

ベッドに寝ている状態から起き上がり、ベッドサイドに腰掛ける(端座位になる)までの動きを、

入居者本人の力を使って、最終的には自力で出来るようにという目標を持って介助している施設は、

かなりケアのレベルが高いといえます。




なぜなら、

このような起床介助は、もちろん朝に行われるのですが、

多くの施設では、その時間帯のケアがお粗末だからです。




「お粗末」になってしまう理由は3つあります。

①朝の起床介助は夜勤明けの人が一人でする為。

夜勤者にとって、朝は最も忙しい時間帯です。

しかも、自分一人でしなければいけないので、心も体もいっぱいいっぱいです。

さらに、夜勤明けですから、体はフラフラで、気力・集中力も減退しています。

その状況で、「起き上がりの自立を促す」というハイレベルで手間のかかるケアをするのは難しいことなのです。




②早出が来るまでに入居者を起こしてしまわないと、というノルマがある為。

このノルマがあるかどうかは、当然各施設のシフトによってまちまちだと思いますが、

多くの施設では、そんな感じだと思います。

そもそも入居施設において、「○時までに○○を済ませること」、

みたいなルールがあること事態、多くの弊害を生み出す原因となるのですが、

多くのスタッフは、入居者よりも同僚に気を使うため、

「早出のスタッフが来るまでに、全員起こしておかないと!」という使命感を持ってしまいがちです。

となると、当然、質よりもスピードを優先した雑な介助を行うことになります。

仮に研修等で、「入居者の自立を促す正しい介助方法」を習っていたとしても、

毎回そのような雑な介助を行ううちに、それがそのスタッフの技術として定着してしまい、

常にその方法でしか介助できなくなってしまうのです。




③誰も見ていないから、①や②のようなことをしても、まかり通ってしまう為。

夜勤の仕事は基本的に一人でします。

(もちろん施設全体では複数いるでしょうが、そのエリア内では一人という意味です。)

だから、ついそのような雑な介助をしてしまったとしても、

誰もそれを注意したり指摘したりすることはありません。

ましてや起床介助は居室内での出来事ですから、

仮にもう一人スタッフがいたとしても、そのことには気が付きにくいのです。

しかも、朝早い時間帯ですから、介護主任等の指導者もまだ出勤しておらず、

かなり仕事のチェックが甘くなってしまうのです。




以上のような悪条件にも関わらず、

朝から入居者の自立を促すような介助を展開し、

その結果、起き上がりがどんどん自力で出来るようになり、

スタッフの介助量が減っていくという成果を上げている施設は、

かなりのツワモノだと言えるでしょう。

よって他のケアに関しても相当なレベルであるということが推測されます。




施設のビジョン、

情熱、

人材の質、

教育、

こだわり、

技術・知識、

チームワーク、

ケアに対する考え方、

これらの平均点がとても高い施設です。





ちなみに、

自立に向けた起き上がり介助ってなんだ?

という方は、こんなDVDもあるので、

興味のある方は、購入してご覧になってはいかがでしょうか?

知るは易し行うは難しの技術ですが、

施設入居者の自立度を上げるためには欠かせない技術だと思います。

もし介護士がこの技術を持っていなければ、

力任せにガバッ!とクルッ!と起こしてしまいます。※絵は想像してください(笑)

その結果、スタッフは腰痛になり、入居者は廃用症候群を引き起こします。



この起き上がりの動作が自立出来れば、

夜間、居室内で入居者一人でトイレに行くことが出来るようになります。

また、仮に完全に自立出来なくても、ある程度の動きが出来るようになれば、

スタッフの肉体労働は激減します。

またこの動きは入居者自身が、身体の柔軟性や筋力やバランス感覚等多くの能力を使うので、

毎日続けることで、廃用症候群になるどころか、どんどん元気になっていきます。



以上、マニア学科らしいケア論でした。



☆本日の結論
「もし全国に一人でもこのような基準で施設を選んでいる方がいれば…会いたいような会いたくないような(笑)」

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