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Author:元気の子
多くの介護関係者が何となく思っていることを、あたかも理論的に言語化するのが好きですが、エビデンスはほとんどないのでご了承ください。

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超共感

今日は超共感という技を説明します。

読んで字のごとく共感を超えたスーパー共感のことです。




でも、

「この記事って最高!もう超共感しちゃった!」

という意味ではございません。




これは介護士が利用者と信頼関係を築くための技術、

つまりラポール形成のためのコミュニケーション技術です。

※ラポールについては→コチラの記事をどうぞ




もちろん単なる「共感」もその技術の一つですが、

「超共感」の方がかなり強烈です。




例えば、デイサービスセンターにて、

「家に帰りたい!車を出してくれ!」

という定番文句を訴えておられる方がいるとしましょう。




もちろん、家に帰ってもらっては困るケースです。




しのぎケアの腕が試される場面ですね。

※しのぎケアって何?と言う方は→コチラをどうぞ




ここで、

「まだ、車の時間ではないので…。」

とか、

「今帰っても、家族の方はいないですよ…。」

と言ってはいけませんね。




それで通用するのならいいのですが、

ツワモノ相手には通用しません。

「車がなくてもいい!タクシーを呼べ!」

「家族なんて関係ない!」

と言われてしまいます。




また、これらの言葉は、

利用者の行動を阻止しようとするものなので、

利用者はこういうことを言う人を「敵」と見なします。

一旦「敵」と認識されてしまっては、もう何を言ってもムダになります。

言えば言うほど、興奮するし、無視されます。




だから、

「もう帰る!」

と言われたら、

「帰りたいんですね。」

と、一旦は共感することが大切です。




まずは「味方」と認識してもらわないと、

その後に打つ手がなくなります。





この味方意識をもっと高めるのが超共感です。

この例でだと、

「もう帰る!」

と言われたら即座に、

「帰りましょう!すぐ行きましょう!」

と言うのです。




こう言われた利用者は一瞬あっけにとられます。

(当然スタッフは阻止するだろうと無意識的に思っているから)

この瞬間、主導権はスタッフのものになります。

言い方は非常に悪いけど、利用者をコントロールしやすくなります。




重要なのは、

勇気を出して躊躇せずに言い切ることです。




この超共感、

色んな使い方があってすごく便利な技術です。

詳しくは次回の記事で!




☆本日の結論
「コミュニケーションの真髄はボクシングではなく合気道。」

酔っ払いって、

酔いが浅くて冷静な人に囲まれていると、

メチャクチャな言動がエスカレートしますが、




なぜか自分よりも酔っ払っている人がいると、

妙に冷静になりますよね。

「おい、お前、飲みすぎだぞ。」みたいな。

オメーが言うなよって感じですが(笑)。




これも超共感の原理ですね。




昨日の記事のケースであったように、

「帰る!」と言った利用者に阻止するようなことを言ってしまい、

利用者の「敵」になってしまったスタッフがいたとしましょう。




これはある意味チャンスなんですね。




すかさず別のスタッフが、

その利用者以上のテンションで、

その「敵」となったスタッフを口撃しましょう。




「お前、うそばっか言うなよ!

これからすぐに帰るんだからさっさと車を出せよ!

お客さんの言うことを聞かないんだったらクビだぞ!」





すると、それを横で聞いていた利用者は、

「なにもそこまで言わなくても…」

と、逆に敵スタッフをフォローしたくなります。




そうなると、

その利用者はどちらのスタッフの言うことも

聞いてくれるようになります。




他の例を挙げます。




デイサービスの食事が非常に不味かったとき、

その空気を察知したら、

利用者の口からクレームが出る前に

ケチキャラスタッフが

「おい、これ不味いぞ!

オレはなけなしの小遣いから食費を払ってるんだぞ!

今日の分は金を払わねーぞ!」


と最低レベルのクレームをつけます。




それに対して、

気が優しくておとなしそうなスタッフが、

「ごめんなさい。今日の料理の担当は私なの、

私が失敗したせいだわ。お金は私が払います。」


と応えましょう。




すると、周囲の利用者は、

「そんなことないよ。美味しいわよ。

ほら、あんたも文句ばっかり言わないの!

可愛そうじゃないのよ!

てゆーか、あんたホントにケチねぇ。」


みたいなことを言うはずです。




ここで最低レベルのクレームに共感してしまったら、

自分のステータスまで下がってしまいますからね。




しかも、この利用者にしてみれば、

食事が不味いことを伝えるという嫌な役を

ケチキャラスタッフに代行してもらった上に、

正論でそいつを諭すという「美味しい役どころ」

を演じることが出来たので、一石二鳥なわけです。




このケースで最悪なのは、

利用者が「不味い」と言ったときに、

「そんなことないですよ。美味しいですよ。」

と言うことですね。

それを言ってしまったら、利用者は、

いかに不味いか、ということを力説したくなるので

デイルームは炎上します。




また、「不味い!」と言われた時に、

「そうですね。」という普通の共感や、

「すみません。」という単なる謝罪も効果は薄いですね。

場合によっては逆効果になります。




もう一つ例を。




利用者のAさんとBさんが口論しています。

Aさんの方が強く罵倒しているようです。




とりあえずAさんをBさんの傍から引き離して、

なだめますね。




そのときAさんはぜったにBさんの悪口を

スタッフに熱弁します。




そこでスタッフがBさんをフォローしてしまうのは

最悪の対応ですね。

その瞬間、敵になってしまいますから。




多くのスタッフは、

「そうですよね」と共感しながら傾聴した後、

Bさんのフォローをするでしょう。




この場面で超共感を用いる場合は、

Aさんがしゃべる前に、このように言います。

「よくぞBさんに文句を言ってくれました。

私、以前からBさんのことが嫌いで嫌いで。

Bさんて、性格悪いし、人の噂話ばかりするし、もう最悪ですよね。

もう顔も見たくないから、私ここを辞めようと思っているの。」





それを聞いたAさんは、

「そこまで悪い人じゃないよ。」

と自らBさんをフォローし始めますから(笑)。




人間にはそういうバランス調整能力が備わっているんですよね。




※このケースでは、Aさんがこのときの会話を

 後々まで覚えていない、ということが前提になります。

 覚えていて後でBさんに伝えられたらエライコトになりますから




その場しのぎコミュニケーションの最終兵器である

この超共感。

機会があれば是非使ってみてください。

面白いですよ。




但し、これは捨て身の戦法でもあるので、

失敗したときのダメージはかなり大きい

とうことは、予めご了承ください。




☆本日の結論
なたかいごさんはこういうのを得意としていますね。例えばこの記事とか。」




<おまけ解説>

海外の犯罪系映画やドラマで、

よくあるパターンなのですが、



マフィアに潜入した捜査官が、

捕まった警察官(元同僚だったりする)に対して

誰よりもブチ切れた振りをして、

真っ先に「ぶっ殺してやる!」と撃つふりをして、

親分の「まあ、殺さなくてもいいだろう。」という声を引き出して

救おうとする場面がありますよね。



あれもこの原理を利用しています。



上手くいけば、

同僚を救えた上に、

親分からの信頼も厚くなりますね。



でも、もし親分がスルーしてしまったら、

そのまま自分の手で同僚を撃つ羽目になるという

非常に危険な賭けなのです。

現場の介護が大変な時に、

その原因を大して分析もせず、

「人手不足」と決め付け、

「人を増やせ」の大合唱。




よくあるパターンですよね。




これって、

商品が売れない原因を分析しないまま

「値下げ」するのと同じです。




さて、現場の介護が大変な原因は

本当に「人手不足」なのでしょうか?




私の経験上、

「業務の効率の悪さ」と「利用者の状態悪化」

が原因であることが多いです。




「業務の効率の悪さ」を放置したまま人手を増やすと、

ますます効率は悪くなります。




「利用者の状態悪化」というのは、

しのぎケアの結果であるパターンが多いので、

そこに人員を投入しても、

手厚いしのぎケアが行われるだけで、

利用者の状態はますます悪化します。





そして、ますます現場の介護が大変になります。




負のスパイラルハリケーンです。




なので、

現場が大変なときこそ、

まずは業務効率化のチャンスだと思って、

大変な時間帯の業務を全て洗いなおしましょう。




そして、

利用者の状態悪化という問題があれば、

それを解決するケアを考えましょう。




そのような解決ケアを展開する中で、

どうしても人員が欲しいのであれば、

そのことを理由に「人を増やせ」と

要求しましょう。




但し、

その問題が解決するまでの期間限定で。




☆本日の結論
「何事も分析が大切です。」

施設内を歩いていると、

利用者からいきなり声をかけられることがある。




しかもそれは挨拶のようなものではなく、

何かを必死に訴えている感じだったりする。




どことなく表情も険しい。




そのとき、

その利用者の特性や訴えのパターンを把握していれば、

適切な反応を返すことは難しくないのだが、




その利用者の特性も、

その状況に至るまでの前後関係も、

ほとんど把握していない状況であれば、

もう勘に頼るしかない。




勘といっても、

テキトーに対応するのでなく、

一応考える。




過去の経験から利用者の特性をある程度絞込み、

 ・相手はこちらの立場を認知しているのか?

 ・あるいは回帰型認知症の方なのか?
 
 ・キレやすい性格なのか?

 ・てか、そもそも言葉が通じるのか?

利用者の表情から感情を読み取り、

周囲のスタッフの雰囲気からことの成り行きを想像する。





そして、

ひたすら共感なのか、

謝罪モードなのか、

自分にはよく分かりませんというような反応なのか、

あえて知ったふりをするのか、

などといった選択肢から、

その状況にふさわしいと思えるものを選択する。




選択が合っていれば、

スムーズにことが進むが、




もし間違っていたら、

速やかにかつ誤魔化しながら

シフトチェンジしなければいけない。




あれ、この感覚、

何かと似ているぞ…。




そうだ、

「コチラは誰か知らないけど、

相手は明らかに自分のことを知っているだろう人から

急に話しかけられた時」

と同じだ。




これはかなり脳に負荷がかかる。




全く予測しておらず、

心の準備もしてない中、

急に脳をフル回転させる必要があるからだ。




でも、

そういうトレーニングは大事なのだ。




いわゆる「瞬発的その場しのぎ」ってやつ。




老人ホームの中を無防備に歩くというのは、

その能力を鍛えるには持って来いなのである。




☆本日の結論
「『ジョジョの奇妙な冒険』の中で活躍しようと思ったら、必ずこの能力が必要になります。」

「わたしゃぁ、ずっと膝が痛とうてなぁ。寝れんのよ。」

「手足がしびれて、何も出来んようになってしもうた。」

「うちなんて、役立たずだから、生きてても仕方がない。」

「はよう、死にたい。」




てな具合に、




この時期の特養のお年寄りは、

現場で暇そうにしている新人スタッフをつかまえては、

ここぞとばかりに愚痴ります。




困るのは新人スタッフです。




どう対応していいか分からないからです。




新人に限らず、

このようなケースの対応は決まっております。




現場では共感し、会議室で問題解決する。




略してGKKMです。





多くのスタッフ、

特に新人スタッフのように

対応にこなれてなくピュアな人たちは、




お年寄りのネガティブな訴えに対して、

「どうにかしてあげたい」

と思うわけです。




で、苦悩し、あせるのですが、




んなもん

どうにかなるわきゃないのです。





で、




それは、お年よりも知っています。




どうにかして欲しいなら、

新人スタッフではなく、

主任や看護師やドクターに相談します。




では、なぜ、

新人スタッフに訴えてくるのか?




それは、

じっくりと話を聞いてもらいたい

そして共感してもらいたい


からです。




だって、暇そうだもの。




訴えを拒否りそうなオーラがないもの。








なので、

どうにかしようなんて

大それたことは一切考えず、

ひたすら傾聴・共感することに集中しましょう。




そうすれば、

次第にお年寄りの気も楽になっていき、

症状も多少なりとも緩和されたような気になります。




また、

お年寄りが興奮気味であり、

それを高確率で落ち着かせたいなら、




人目をはばからず

鼻から涙を流して共感しましょう。




「あんた、大丈夫?」

と、冷静になってくれますから。→超共感








現場では、

それが一番の解決策なのです。




ただ、




愚痴とはいえ、

それらのお年寄りの訴えを

スルーしてはダメです。




それはそれで、

きっちり問題解決する必要があります。




なので、

フロアカンファレンス

のときに

しっかりと問題提起しましょう。




ややこしい問題であれば、

多職種参加の会議に議題として上げてもらいましょう。




つまり、




新人スタッフの場合、

共感は出来たとしても、

解決なんて出来ないのだから、

それは先輩・上司・他専門職に丸投げしちゃいましょう!




報告さえすればいいよ!




ってことで、




アーユーOK?




☆本日の結論
「実習生にもありがちやね。」

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