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元気の子

Author:元気の子
多くの介護関係者が何となく思っていることを、あたかも理論的に言語化するのが好きですが、エビデンスはほとんどないのでご了承ください。

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私が時間のある時にすることの一つに、

大きな法人・会社のHPを見ることがあります。




理由は言うまでもなく、

HPの作り方はもちろん、

様々な取り組みのヒントを得るためです。

あるいは、

自分たちの組織に足りないものや盲点に

気付くためでもありま。




でも、

この作業はかなり苦痛なんですよ。

その理由は、

「自己評価維持モデル」で説明できます。




以下はこの理論の説明です。




・人間は自分の評価を他者との比較で決める。

・そして、自分が劣っていると感じる情報に接した際には、
 自己評価を維持するための行動を選択する。
 つまり自分を守るための行動(防衛)に出る。

・他者と比較した自己評価のメカニズムは次の3要因で決まる。

・それは「自己関連性」、「課題の遂行」、「心理的距離」である。

・「課題の遂行」とは、
 例えば、甲子園に行ったとか、仕事が成功したとか、
 子どもを良い学校に入れた等といった成果のことである。

・他者がよい成果を達成した時、
 もし自分も同じ成果を意識しており=「自己関連性」、
 その人が自分にとって近い存在だったなら=「心理的距離」、
 非常に惨めに感じるのである。

・この場合の対処方法(防衛)としては、
 自己関連性を下げる=その分野への興味をなくすか、
 心理的距離を下げる=その人から遠い存在になる
 という二つがある。

・つまり、課題、あるいは成功した他者に対して、
 攻撃的になるか、無関心になるか
 といった行動を選択するのである。





つまり、

同じ介護分野にて、

自分よりも成功している法人・会社の情報に

自らより詳しく接近するということは、

これらの対処方法の逆となりしんどいのです。




しかし、

これは「自己関連性」の面だけであり、

もし、知り合いや近隣の方の華々しい成果であれば、

さすがに耐えきれないかもしれません。




が、




そうとも言い切れなくて、




実は、

適応的な対処方法として、

「自分の遂行レベルの向上に向けて努力する」

というものがあります。




つまり、

・負けないように頑張る!

・妬みの種ではなく、良い刺激として捉える

ということですね。




ただ、こういう思考は

凡人の場合

かなり意識しなければ

不可能なので、

そのようなマインドを準備した上で、

HPを拝見する必要があります。




また、




この理論には、

もう一つ面白いメカニズムがあり、




それは、

自己関連性の低い課題において、

他者が自分以上の有能さ示した時、

その他者が心理的に近ければ、

むしろ、その成功を誇る気持ちが強くなり、

他者の栄光を自分に引き寄せ、

自己評価が引き上げられる


というものです。




例えば、

自分の高校時代の同級生が、

自分と同じ介護業界で成功していたら、

文句を言ったり、距離を置きたくなるのに対し、

自分の全く興味のない漫画家のような分野での成功であれば、

むしろ誇らしげに人に自慢したくなる

ということです。




要は、

人に妬まれず成功したいのなら、

ニッチな分野で成功するべき

ということですね。




☆本日の結論
「兄弟は別の分野に興味を持つのが良い。」

昨日の記事で書いた

自己評価維持モデルについて。




この理論を証明する実験では、

学生にクラスメイトの能力を査定させた所、

自分の得意とする教科では、

実際以上に低い査定を見積もり、

自分の苦手とする強化では、

その逆だったらしいです。




つまり、

「心理的距離」の近さが固定されている条件下では、

「自己関連性」と「課題の遂行」が逆相関になるわけですね。




ちなみに、

この3要因はどれをどう入れ替えても同じような関係になります。

例えば「自己関連性」の近さが固定されている条件下では、

「心理的距離」が近いほど「課題の遂行」の低さを望む

といった具合に。




さて、

そう考えると、




上司が実施する部下の査定というのも、

非常に危ういものなんです。




客観的な数値で評価できるものなら問題ないのですが、

上司の主観で得点化されるのであれば、

上司の得意な分野ほどシビアな評価となり、

逆に、上司の苦手な分野を得意とする部下が高評価となります。




ましてや、

その上司と部下の距離(年齢やキャリア)が近いと、

ますますその傾向は強くなります。




組織全体としては

バランスが取れるようになっている

と言えないこともないですが、

査定される部下にしてみれば

たまったものではないですよね。




このように主観的な要素の多い査定は、

上司のバイアスがかかりまくりなので、

要注意っす。




☆本日の結論
「自己評価維持モデルを理解し、その逆の言動をすることで、自分の器を大きく見せることができる。」

明日の記事(明日中の限定公開)では、

介護業界にて

今年から新たに生まれるであろう

異変について予言しています。




些細なことですが、

特にリクルート面や企業文化の面では

大きな変化になると思いますよ。



福祉の仕事は二律背反です。




利益を追求する必要があるが、

利益を求めてはいけない。




特養に入居しなくても良い方法を考えつつ、

特養入居者募集の営業をする。




地域の困った人のために仕方なく事業展開するものであり、

積極的にマーケティング、ブランディングするものでもある。




どっちやねん!?

と言いたくなるでしょうが、

どっちもなのです。




その両者の葛藤の中で、

絶妙にバランスを取りながら、

運営していく宿命なのです。




利益にウエイトが乗りすぎると、

利益追求企業というレッテルを張られ、

福祉にウエイトが乗りすぎると、

企業の未来が見えなくなります。




そして、

経営者や管理職たちは、

TPOに応じて、

その両者のポジションを行ったり来たりしながら、

言葉を選んでいくセンスが必要です。




特に、

部下に話をする時は、

企業文化や自分のキャラを考慮して

結果としてそれらが同じようなウエイトになるよう注意して。




まあ、

その両方をしっかりと抱えながらやっていくことに、

この仕事の奥深さや尊さがあるのだと思います。




おしまい。




☆本日の結論
「議論の際は、どちらのチャンネルで話しているかという説明が必要。」

無料とか割安の介護系セミナー

すなわち中途半端なセミナーに参加すると、

お決まりのパターンばかりで嫌になりますね。




そのパターンとは、

・本テーマとは関係ないのに、制度の最新情報の話をする

・でもって不安を煽る

・本テーマについて役に立つ情報はほどんどない

という感じです。




これはまさに

インチキコンサルティングの手法そのものです。




まあ、

セミナー自体が販促ツールとなっていますからね。




割安だから内容が乏しいのは仕方がないにしても、

参加者に必要以上に不安を与えるのは良くないです。

悪質です。




そして、

不安情報の源泉が

制度に関することというのもベタすぎます。

そりゃ医療も介護も制度は

ますます厳しいものになるに決まっているのですから、

その話をすれば皆が不安になるのは当然です。




さらに、

悪質なのは、

参加者が普段関心を示していない

そのような情報を伝えることによって

講師は参加者よりも上の立場である

という関係を刷り込もうとしている点です。




冒頭に知らないことをガツンと言われたら、

多くの参加者は講師に対して依存的になりますからね。




でもって、

その後に伝える本テーマの脆弱な内容を

その空気で誤魔化してしまうわけです。




最初から

本テーマをしゃべってしまうと、

その内容の薄さに対し、

セミナーが炎上する可能性すらあるからです。




さらに悲しいことに、

ここから先のノウハウを知りたければ、

コンサル契約をしましょう、

ということで契約をしたはいいが、

結局、役に立つノウハウはどこにもなかった

という袋とじページごとくインチキな手口ですね。




皆さんも気をつけましょう。




☆本日の結論
「自分が全く知らない領域のセミナーを勧めます。」

以前の記事で、

ドラッガーの教えとして、

問題中心よりも機会中心で!

ということを書きましたが、




これは、

日々の現場レベルでも言えることです。




現在、当方の特養では、

月に一度、全体会議を開いています。




こういう会議でも、

どうしても問題中心になりがちですが、




大勢参加の会議では、

根本的な問題解決の議論はできるはずもなく、

ただなんとなく暗い雰囲気になるのは嫌なので、

「元気になった人」

とか

「先月のグッドチャレンジ」

など、

ポジティブな報告を中心にしてもらっていました。




最近は、

これをさらに発展させ、

「思わぬ成果」

というカテゴリーを追加しました。




これは本当に些細なことなのですが、

・こういう声掛けをしたらいつもよりよく食べてくれた

・自分でドライヤーを手に取って髪を乾かそうとしていた

など、各々の介護スタッフが知覚したエピソードだけど、

皆に共有するまではいたっていないものを、

あえて報告してもらうものです。




私はここに宝の山があると思っています。




また、

本当はミスなんだけど、結果的に成果を生むもの

というのもあります。




分かり易い例だと、

間違って常食を出したら、しっかりと食べていた。

というように。




これをミス、あるいは事故やヒヤリハットとしてとらえるだけでなく、

むしろ成果として注目していこうという文化ですね。




こいういう中に実は大発見のヒントはある

とドラッガーも言っています。




問題に関することは些細なことでも報告する

という文化が定着している施設は多いと思いますが、

(実はこれだけでもすごいこと)

その次は、些細な成果をも報告するということを

促進すべきだと思います。




それは、

成果や良い方法の発見のみならず、

チームの雰囲気を活力あるものに変え、

介護の仕事をより面白くするからです。




ちなみに、

全体会議にはパートスタッフは不参加ですが、

そういう人こそが多くのネタを持っていることが多いので、

必ず事前に聞き取りしてもらうようにしています。




お勧めです。




☆本日の結論
「些細な良い結果報告はかなり意識しないと出てこない。」

今、当方では、

マネジメント研修にて、

ドラッガーの「マネジメント」を皆で勉強しています。




この本に書いてあることは、

一言一言が出席者の胸に突き刺さります。




けど、

それは、あくまで、

文章を吟味し、解釈し、

自分たちの仕事場面に置き換えることができるほど

理解できた時の話であり、

なんとなく文章を読んだだけでは、

何も感じません。

分かった気になるだけです。




先日の研修でも、

たった2行の解釈に皆さん苦労していました。

30分以上かかっていました。

その内容とは、

「あらゆる組織が、ことなかれ主義の誘惑にさらされる。

だが組織の健全さとは、

高度の基準の要求である。

目標管理が必要とされるのも、

高度の基準が必要だからである。」


というものです。




ことなかれ主義の誘惑にさらされる…

起業家精神を持っているはずの経営者ですら

チクッと刺さる言葉ですから、

中間管理職の皆さんにとっては、

まさに苦痛の言葉だと思います。




でも、

上司が事なかれ主義だと、

そのチームには全く活力が生まれないんですよね。

仕事をしてても全然面白くないんです。

ミスをしないことや事故や問題の起きない事、

あるいは実地指導でOKをもらうことが成果になりますから。

(どれも必要なことではありますが)




だからこそ、

先日の記事にも引用した通り、

問題中心でなく機会中心で

ということなんですね。




現場のリーダーが問題中心思考だと、

利用者が自立するチャンスや

寝たきりから脱出するチャンスすら、

見逃してしまいますから。




むしろ

リーダーがリスクを取ってでも

そういうチャンスを生かし、

挑戦するチームでないといけないです。




そうであればチームは活気づきます。

つまり、大変であったとしても楽しく仕事ができ、

結果としてスタッフも成長できます。




介護の仕事こそ、

そうあるべきです。





皆さんも、これらの言葉を吟味してみてください。

簡単そうでなかなかですよ。




☆本日の結論
「マネジメントの勉強は苦痛を伴うが、徐々に免疫がつき、血となり肉となる。」

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